顧問先DX支援分科会 – 電帳法 / インボイスに対応した記帳代行2.0検討PJ 【マネーフォワード・弥生 検証報告】

分科会とは、顧問先へDX支援やサービスを提供するにあたって勉強会だけでは学ぶことができない、ナレッジおよび事例の共有、コンサルティングのフレームワークやツール等の開発を行うなどDXを推進するスキームを研究しより高い知識やスキルを習得していただくためのコンテンツです。

本セミナーレポートでは分科会の様子を抜粋しご紹介いたします。

2023 年7 月14 日 (金) 16:30 ~ 17:30 開催
電帳法 / インボイスに対応した記帳代行2.0検討PJ 【マネーフォワード・弥生 検証報告】

およそ9か月という期間をかけ進めてきた今回のプロジェクトも、いよいよこの検証報告をもって最終回となりました。参加の皆さまには、それぞれ担当をお持ちいただいて、全5ツールの検証を行ってきました。

最終回の7月は、弥生 株式会社の検証を金崎浩税理士事務所さまに、そして株式会社 マネーフォワードの検証結果を、税理士法人 YFPクレアさまとセブンセンス 株式会社の2社よりご報告いただきました。
当日は、合計9社12名の皆さまにご参加いただきました。

 

◎検証の内容については、コラムでご覧いただけます。

 

さっそく、金崎浩税理士事務所さまから発表いただきました。

ここ半年ほどで、弥生製品でも順次インボイス制度および電子帳簿保存法への対応は進んでおり、この9月にはデジタルインボイス対応として、弥生販売 / MISOCA やスマート証憑管理を使ったデジタルインボイスの送受信も実装されるようです。

2023年1月にリリースされた 「スマート証憑管理」 は、電子帳簿保存法の要件を満たした状態で、各証憑類をクラウド上で保存や管理ができる弥生のサービスです。このサービスでは適格請求書の適正性も判定可能だとのこと。電帳法の対象としては試算表や棚卸表といった決算関係書類では非対応であるものの、請求・見積・納品などの取引関係書類には対応していることもお話しいただきました。

自計化において弥生製品を使用されていない顧問先でも、会計事務所側が記帳代行ライセンスを割り当てることでサービスを利用することも可能なようです。

弥生会計の対応について金崎先生の総合評価もご発表いただきました。

記帳代行の効率化に関しては、入力作業の削減が可能であるという点から、省力化に向けて手応えがあるとのお話がありました。さらに顧問先に提示する際には、これまでクラウドへの移行や資料の電子化についても、理解を得るまでにはハードルを痛感することもあったのだそうです。しかし、制度変更を契機に、スマート証憑管理の活用によって資料の受領から管理まで容易にクリアできる点を提示し、理解を促していけるのではないかとのご意見を伺いました。

付加価値の提供や報酬アップの観点からも、制度が定着し機能が整備されることで、業務はますます効率的となり、顧問先も価値を実感しやすくなるのではないか、ともお話しくださいました。会計事務所側の業務も効率化へつながれば、その分で新たなサービスの創出、そして付加価値の提供に向けた可能性も拡がるだろうとの評価を伺いました。

 

つづいて、税理士法人 YFPクレアさまとセブンセンス 株式会社から、それぞれマネーフォワードのクラウド会計およびグループである株式会社 クラビスが提供するサービス 「STREAMED」 についての検証結果を発表いただきました。

YFPクレアさまからの発表では、STREAMEDのインボイス対応の機能から解説いただきました。本年10月からは領収証に登録番号が記載されている場合、国税庁とのAPI連携によって、事業者名や有効期間といった情報を引っ張ってきたうえで、適格か非適格かの判定まで自動化されるとのことです。

マネーフォワードのクラウド会計とSTREAMEDの連携もスムーズで、アップされた証憑類は 「クラウドBox」 というストレージに電帳法にも対応した状態で保存されるようです。さらに各種会計ソフトとの連携も進んでいるとのことです。

つづくセブンセンスの発表でも同様の見解を伺うとともに、仕入税額控除の判定を考えた際には、一覧表示の充実・強化があればより良いのではないかとの意見も挙がりました。

総合評価では、検証いただいたいずれの事務所でも、入力作業は大幅に軽減され、学習機能もあるため記帳代行業務の効率化はかなり進むだろうとお話しいただきました。
クラウド会計やSTREAMEDの導入そのものが、顧問先に対して価値を付加できるというものではないものの、作業時間が短縮され効率化されることで会計事務所としては別のサービスや価値提供が可能となり、結果的に報酬の向上にもつながるのではないかとの見解も伺えました。

マネーフォワードさまからは、Peppolペポル 対応や続くリリースを控えているご様子も情報として、直接共有いただけました。

 

今回の顧問先DX支援分科会では、記帳代行 「Ver. 2.0」 として、いち早くインボイス制度・電帳法に対応した新しいかたちのサービスを探求すること、さらに未知のITツールを検証する方法を体感いただくことをテーマに実施してまいりました。いかがでしたでしょうか?

今後も分科会では皆さまとともに、学びを深めてまいりたいと考えております。
分科会ってなに?分科会ってどうしたら参加できるの?など、ご興味をお持ちいただいた方や、ご登録がまだの方は、ぜひ研究会事務局までお問い合わせください。

※正会員事務所および正会員事務所の従業員様は何名でもご参加いただけます