顧問先DX支援分科会 – 電帳法 / インボイスに対応した記帳代行2.0検討PJ 【invox・バクラク 検証報告】

分科会とは、顧問先へDX支援やサービスを提供するにあたって勉強会だけでは学ぶことができない、ナレッジおよび事例の共有、コンサルティングのフレームワークやツール等の開発を行うなどDXを推進するスキームを研究しより高い知識やスキルを習得していただくためのコンテンツです。

本セミナーレポートでは分科会の様子を抜粋しご紹介いたします。

2023 年4 月14 日 (金) 16:30 ~ 17:30 開催
電帳法 / インボイスに対応した記帳代行2.0検討PJ 【invox・バクラク 検証報告】

年末から3月にかけての繁忙シーズンを越え、いよいよ今回からは参加事務所による各ツールの検証発表に入っていきます。当日は9社17名がご参加くださいました。

 

株式会社 イワサキ経営さまに株式会社 Deepwork 開発・運営の 「invox受取請求書」 を、そして、株式会社 アイユーアソシエイツさまに株式会社 LayerX の 「バクラク」 を、それぞれ検証してきていただきました。
 

◎検証の内容については、コラムでご覧いただけます。

発表の内容はシステム概要、特徴的な機能、総合評価の流れでいずれも行っていきました。

「invox」 はオペレータによる確認ありの正確な処理と、AI OCRのみのデータ化のいずれかを請求書ごとに都度選べるようです。これは、資料の精度や対応速度にも併せられるということになりそうです。

支払のデータは全銀データを出すことも、また、「pring法人送金」 というオプションによりAPIで送金依頼そして支払まで完了できるようでした。仕訳データについては、CSVデータでの連携は多くの会計ソフトにも対応しており、そのなかでもfreeeとは、APIでの連携も可能なのだそうです。

資料アップロードは、特定のメールアドレスを使いメールで送る方法と専用アップロードページに送る方法、システム上でアップロードをする方法がありました。

invoxの特徴として、タイムスタンプを付さないため低価格でサービスが利用できるようです。事前に事務処理規定を作成する必要がありますが、これらのサンプルもサイト上にあり、実態に合わせて書き換えながら作成できそうです。

つづいて、「バクラク」 も概要および機能の解説をいただきました。まず、同一の領収書が繰り返し使用されるのを防ぐ二重申請防止アラートや月またぎアラート、スキャナ保存要件の適合自動判定といった、ミス防止機能が充実しているようです。

主要な会計ソフトとも連携でき、バクラクでもfreeeとのAPI連携が可能となっているようです。また、お役立ち機能として自動学習機能で前出の仕訳は自動入力もでき、アップロードした請求書のファイルをリネームしたうえでダウンロードできる点も便利そうです。

バクラク請求書のインボイス制度への対応についても解説いただきました。AI-OCRでの登録番号自動読み取り機能で目視による確認作業が軽減されること、国税庁とのAPI連携によって事業者番号が実在するものであるか、期限には問題がないかまでを自動で確認ができます。

このあと、「invox」 「バクラク」 ともに検証に立ち会った研究会副会長 笹原氏による両社の内容をふまえた考察もありました。

いずれも会計ソフトとの連携においてfreeeとであればAPIによる連携ができる話でしたが、「バクラク」 については、リアルタイムでのデータ同期やUI面においてもなじみやすくなっているとのお話しがありました。さらに、勘定奉行クラウドとの一部連携もあるようです。

総合評価では、どちらも資料回収や仕訳計上の作業効率化は申し分なく、月次処理の加速化により資金繰りの管理・予測の情報も早期提供が可能となる点でも付加価値サービスへと繋がることが挙げられました。それぞれ範囲に違いはあるものの電子帳簿保存法・インボイス制度への対応もしており、顧問先側で法令に基づいた運用がなされていれば特段の問題なく対応できそうであるとのことでした。

以降も発表が続きます。次回開催は6月16日にfreeeの検証発表を予定しております。
分科会へご興味がある方、ご登録がまだの方は、ぜひ研究会事務局までお問い合わせください。

※正会員事務所および正会員事務所の従業員様は何名でもご参加いただけます