第6回 座談会レポート ~ 次世代の資料回収 ~
座談会は会員の皆さま同士の情報交換によって、DX推進の理解を深めていくことを目的としたコンテンツです。
このレポートでは座談会の様子を抜粋しご紹介いたします。
Contents
2022 年11 月25 日 (金) 16:30 ~ 18:00 開催
テーマ:次世代の資料回収
6回目となった今回は、パネリストとして税理士法人 りんく、セブンセンス税理士法人にご参加いただき、多くの会計事務所で問題となっている資料回収をテーマとして、ITツールを活用した資料回収の方法論について情報交換をしていきました。
資料回収はなぜ、うまくいかないのか?
冒頭は、回収がうまくいかない顧問先にはいったいどんな特徴があるのかを、参加者の皆さんに伺っていきました。
参加者からは 「経営者自身が現場に入られている事業者」 や 「経理担当者が不在もしくは身内の方が経理担当をされている企業」 で、資料回収が困難なことが多いという意見が挙がりました。これらの顧問先では、提出資料などの納期や基本的な取り決めごとを、履行できていないことが多いようです。
また、電話やメールなどの連絡もつきづらく、苦労されているとのことでした。
事前にいただいたアンケートの中には、“クラウドを使って回収しているが、資料の提出の方法が守られない” という回答や、“ITスキルが低く、クラウドを利用できない” という回答もありました。
また、資料回収の問題は顧問先だけでなく、会計事務所の担当職員側のITリテラシーによって生まれることもあるようです。
参加者からは 「顧問先に対してITツールのメリットを説明しきれないことも要因となっているのでは?」 とのお話もありました。
改正電帳法での資料回収への影響
改正電帳法についてのテーマでは、現在の顧問先の制度対応、とくに電子取引の電子保存義務化の対応ができそうなところがどの程度あるのか?という話題からスタートしました。
参加者からは 「現状で対応できる顧問先は、それほど多くないだろう」 という意見が大半となりました。
これについては、 「会計事務所の担当職員が、税務の支援や相談を受けるだけでなく、デジタル化のアドバイスができるように知識をつけられると対応できる顧問先が増えるのではないか」 との意見も挙がりました。
改正電帳法 ~次世代の資料回収の形とは?
ここまでは、資料回収の問題点や難しさについて話し合われていましたが、「紙の資料を預かったうえで電帳法に則した形で保存すること自体を、会計事務所の新たなサービスとして提供できそうではないか」 という意見でも会は盛り上がりました。
「資料回収がルールどおりに実行されれば、お値引きポイントを付ける」、「乱雑な資料を整理することそのものをあらたなサービスとして提供する」 といったアイデアも飛び出しました。
“申告のための資料回収” ということしか見えていなかったところを、これからはデジタルも絡めた高付加価値のサービスとして提供することが必要だろう、という総意で今回の座談会は幕を閉じました。
研究会では、今後もさまざまな事務所の取り組みや課題のヒントとなるテーマで勉強会の企画をしてまいります。体験会員も随時募集しておりますので、ぜひご参加ください!