ケースメソッド: デジタライゼーション – 大規模なバックオフィス改善プロジェクトのマネジメント –

ケースメソッドとは..
事例をもとに参加者が当該案件を疑似体験することによって、支援スキルの向上を目指していただく “実践型” の勉強会です。

【デジタライゼーション】のテーマでは、企業のIT活用による業務プロセス改革や生産性向上、マーケティングなどの支援など、実際の事例を元にディスカッションを行います。

本セミナーレポートではケースメソッドの様子を抜粋しご紹介いたします。

2022年 8 月 26 日 (金) 16:30 ~ 17:40 開催
ケースメソッド (デジタライゼーション)
テーマ:大規模なバックオフィス改善プロジェクトのマネジメント

今回は会員事務所でもある株式会社 イワサキ経営様より事例をご提供いただきました。

テーマは大規模なバックオフィス改善プロジェクトのマネジメントということで、とある企業の総務部長X氏が、自身の体調不良をきっかけにブラックボックス化していた業務の改革に取り組むべく、改善プロジェクトの計画策定・推進について会計事務所へコンサルティングの依頼をされたケースで、参加者の皆様と意見を交わしていきました。

この企業ではこれまでベンダーの協力を得ながら、さまざまなシステム化も進めてきたようですが、運用の最適化がうまくいかず手作業の処理が業務フローに散見されている様子です。

発注・仕入・支払業務ではWeb EDIを一部使用するも、FAXや電話発注、さらに紙での発注も存在し、それらは部署ごとに方法が異なっていました。給与関連では、勤怠システムの導入をしつつ紙での申請からExcelへ転記、集計が生じているのだそうです。さらに、人事管理もクラウドシステムを使用しながら、過去分については紙保管がなされていたり、労務の申請では紙によって行うものが今なおある、という状況でした。

さっそく、事例の確認をした後には参加者の皆様から意見を伺っていきましたが、「紙業務が多い印象である」 こと、「Excel集計の部分をRPA活用で業務の軽量化できないか?」、そして、「システム導入以前に業務フロー、ルールの整理の急務」 と、つぎつぎ挙げられていきました。

山積みとなった課題を現状すでにいっぱいいっぱいである状態の中では、一気に取り掛かりクリアにするのは難しく、優先準備をつけながら整理していくことについてはどの参加者様からも話がありました。

課題への優先順位のほか、それぞれ想定される改善期間も異なり、発注・仕入・支払業務ともなれば、半年から一年ほどの長い時間を要するだろうと話がありました。これらの検討や対応をするにも、業務方法を担当者レベルから丁寧にヒアリングし、情報を精査していく必要性がありそうです。

これらの改善提案やテコ入れは、経営者様がほしいとされるデータを見られるようにするだけではうまいように進まず、現場の方の本音やモチベーションの在り方が要であり、コミュニケーションを円滑にとりながら引き出していくことで成功に近づけやすくもなるとの意見も挙げられました。

また、業務の工数や業務ごとのアウトプットなどをKGI / KPIとして設定し、業務改善の効果を可視化してプロジェクトの進捗管理を行うことで、効果を実感していただきやすくなる点などもポイントとして挙げられました。

次回は、RPA・OCR・iPaaS等のツール活用など 「業務の自動化」 をテーマに開催いたします。