顧問先DX支援分科会 – 電帳法 / インボイスに対応した記帳代行2.0検討PJ 【freee 検証報告】

分科会とは、顧問先へDX支援やサービスを提供するにあたって勉強会だけでは学ぶことができない、ナレッジおよび事例の共有、コンサルティングのフレームワークやツール等の開発を行うなどDXを推進するスキームを研究しより高い知識やスキルを習得していただくためのコンテンツです。

本セミナーレポートでは分科会の様子を抜粋しご紹介いたします。

2023 年6 月16 日 (金) 16:30 ~ 17:30 開催
電帳法 / インボイスに対応した記帳代行2.0検討PJ 【freee 検証報告】

前回は、invoxおよびバクラクについての検証発表会を実施いたしました。5月は会計事務所の皆さまにとって決算申告など山場のシーズンでもあったため、ひと月お休みとさせていただきました。明けて6月はfreee 株式会社が提供されているfreee会計の検証結果を、税理士法人 新潟会計アシストさまと税理士法人 中山会計さまの2社にご報告いただく会を実施しました。
当日は、合計7社13名の皆さまにご参加いただきました。

 

冒頭では、企業ロゴがツバメのモチーフである由来や、さらにはこのモチーフがツバメの中でも 「アマツバメ」 という地球上で最速の鳥なのだという豆知識のお話から和やかにスタートしました。

扱われる電子データが幅広く、決済システムや銀行、クレジットなどAPI等で連携でき、一元管理が可能となるクラウドERPのパイオニアである freee。ここ数年は毎年140%ほどの売上高上昇を実現され、大変目覚ましい成長を遂げられている企業でもあります。

 

◎検証の内容については、コラムでご覧いただけます。

 

さっそく、税理士法人 新潟会計アシストさまから発表をしていただきました。

電子取引保存制度への対応機能について 「freee会計」 は、法令に沿った各種帳票類の管理も可能な “ファイルボックス機能” を備えています。これまで紙とデータが混在し、資料をもらう方法が複数あるような先においては、これを機に回収そのものの手順から検討し直すことで、受領漏れや処理漏れを防ぐこともでき会計事務所側の効率化も進むだろうとお話しいただきました。

つぎに、作成した仕訳データとスキャンした証憑類の紐づけ機能に関する検証結果をご報告いただきました。仕訳入力・監査といった工程が分業で行われている場合や、あとで振り替える時でも、格納場所やPC上のフォルダへ探しに行くことなく、スキャンした証憑類は元帳からも見られるようになっているようです。

また、システム上での回収資料振り分けについては、2023年7月新たなアップデートが予定される機能として、領収書・請求書などさまざまな種類の資料にタグや条件で分類したり、絞り込み条件をつけて検索がしやすくなっていくようです。お客さまにフォルダを分けてアップロードいただいたりすることなく、freee会計の中だけで資料回収と振り分けが完結できることにも繋がりそうだとのことでした。

記帳代行以外にも経理業務周りのご提案として、振込データの作成、債権債務の管理、経費精算という範囲まで、freee の機能を活用することで、新たなサービスに繋げることが出来そうだとのお話もありました。

 

つづいて、税理士法人 中山会計さまからは、現在 freee を導入している顧問先も多く、その中ですでに記帳代行をされている先もあるため、実態からのお話も含めて発表をいただきました。

freee を使った処理もすでに多く実施されている中で、これまでのファイルボックス機能を利用するには、中山会計での作業において問題がいくつかあったようです。たとえば、1ファイルに複数ページがあるような場合にWeb版の freee へ取り込むと頭のページしか取り込めないこと、画像の容量により挙動が重くなってしまうなど、いくつかのフィットしない問題点もお話しいただきました。その点は、ほかシステムを活用、連携利用することによって解決しながら進められているところだそうです。

ただし、ファイルボックスが今夏のアップデートによっていくつかの変更がなされることを受けて、流れとしては freee での完結を目指す検討も再び進めているとのことです。実装がすでに始まった箇所から検証は始められていて、結果反映のレスポンスや印字の読み取り精度も高く、魅力的なアップデートが施されていたともお話しくださいました。

インボイス対応の点でも、適格請求書発行事業者の登録番号の有無、番号の不一致などの判別もスムーズに行える点も検証されていました。

総合評価では、いずれの事務所からも挙がったのは、業務の効率化の点もインボイスや電子帳簿保存法への制度対応をご理解いただく点でも、会計事務所の効率改善だけではなく顧問先にとってもプラスとなるポイントを提示して二人三脚となって進めることが大切だとのご意見でした。

さらに会計事務所側の業務省力化や効率向上を叶えることで、高単価である付加価値業務の獲得といったプラスの報酬を得ることが可能である点も共通したご意見でした。

 

いよいよ今プロジェクトの最終段階に入りました。次回からは弥生会計とMoneyForward の検証、発表の様子を本コラムでもお届けいたします。
分科会へご興味がある方、ご登録がまだの方は、ぜひ研究会事務局までお問い合わせください。

※正会員事務所および正会員事務所の従業員様は何名でもご参加いただけます