DXレポート2を読み解く 第1回
「DXレポート2」は、2018年に経産省が発表した「DXレポート」に対し、その後の企業の動向及びコロナ禍の影響等をふまえて、2020年12月にあらためて報告された最新のレポート(中間報告)となっています。
本コラムでは、この「DXレポート2」の内容をパートに分けて解説していきます。
1章~3章の概要
2018年のDXレポート発表後からコロナ禍以前では、日本企業のDXに対する意識はほとんど改善されていない状況であった事が報告されています。
コロナ禍を通じて、企業はDXの重要性を認識しはじめ、特にテレワークに関しては急速に導入が進みました。しかし、コロナ禍でテレワーク等に対応出来なかった企業もあり、この差が今後は拡大していく可能性が高いとされています。
その理由は、既に人々の価値観は大きく変化していること、そして、ビジネスにおける価値創出の源泉はデジタルの領域に移行しつつあることが、ECモール・通販の購買の増加を根拠に示されています。これはコロナ禍後も戻ることはないと予想されています。
※DXレポート2より抜粋
レポートでは、企業がデジタルによって競争優位を確立するには、常に変革をし続ける能力を身につけることが重要とされています。
そのためには、プロダクト・サービスを市場に提示した結果をデータに基づいて把握しながら、迅速にフィードバックし続ける事が必要ですが、この足かせとなるのが、「レガシー企業文化」であるとされています。
これは単なる既存(レガシー)システムのみならず、システムに紐付いたビジネスモデルを固定的なものとして捉えてしまうというマインドを変えていく必要性を示しています。