インタビューコラム ~ 会員VOICE SQUARE 《税理士法人 広瀬》
中小企業DX推進研究会にご参加いただいている会員事務所の方へのインタビューを基にお届けする “会員VOICE SQUARE”。このコラムは、研究会×会員事務所、そして会員事務所同士の交流を図ることを目的としています。さらには他事務所の取り組みや課題などから、同様の想いを抱える皆様へのヒントとなればと思います。
第3弾の今回は、税理士法人 広瀬の渡辺 元さんと廣瀬 亘さんへお話を伺いました。
IT・RPAなどチームごとで結束
まずは事務所のご様子について廣瀬さんから伺っていきました。
グループでは税理士法人、社会保険労務士法人、コンサルティング業や保険代理店の会社数社を擁されており、総勢およそ65名の従業員様で運営されています。
税理士法人のなかは、資産税、医業、公会計、税務会計、M&A、IT・RPAの6チームに分かれており、渡辺さんと廣瀬さんは 「IT・RPAチーム」 に所属されています。このチームでは現在6名が活躍されているそうで、IT・システムの知識を持っている方だけでなく、元はほかのチームであったところから配属された方もいらっしゃるようです。
渡辺さんからは、IT・RPAチームとして所内のインフラ周りや業務の改善、顧問先など外部に向けたセミナー実施からお客様のIT・DX化にも、まさに力を入れていきたいところだというお話もありました。取り組む比重としては、社内:顧問先ですと6:4の割合で社内の改善へかかっているとの現状も教えてくださいました。
RPA活用で業務を自動化!社内改善を図る委員会活動
また、”社内改善のなかでうまくいっている” と感じられているポイントも伺っていきました。
先に挙げていただいたチームとは別に、RPA委員会や業務イノベーション委員会、能力開発委員会といったチームの垣根を越えた各種委員会があるそうです。外部で実施されている展示会などへも積極的に出向き、自社で生かせるものがないか情報収集を行われているということです。
社内の風土としてもトップダウンでことが運ぶというよりは、役職問わず自由な発想でかつ意見出しなども活発なご様子です。
代表ご自身がITに強いこともあり、渡辺さんや廣瀬さんがご入社される以前より、RPA導入は進んでいたそうです。メインにはEzRobotを導入し、社員の勤怠時間集計、顧問先からエクセルで受領した売上資料の会計ソフトへのインポート、月々の決算期を迎える先など会計ソフトから紐づけし、納付時期のリマインドにも使われているようです。
顧問先も事務所内も!DX推進の底上げ対策
顧問先の特色も伺っていきました。記帳代行をメインで請けている顧問先はあまりなく、自計化されている先が多いとのことでした。新規のお客様へはクラウド会計ソフト導入を提案されているところだそうです。
また、経営者様の代替わりとなるタイミングでクラウドツールの導入やIT導入補助金を使った提案をするなど、機を逃さず顧問先へのIT、DXの推進にも力を入れられていることが伺えました。
顧問先への提案の要ともなる所内従業員へのITやDXといった知識習得、浸透方法について、社内で月一度のスキルアップデーという勉強会を実施されているそうです。
この勉強会では税務の分野に限らず、IT・RPAチームの担当の日にはITリテラシーを高められるよう、新たなツールの使い方やUSBの取扱いといった軽微なポイントまで広くお話をされていることも伺いました。
実践で経営体験?『マネジメントゲーム研修会』とは
お客様へ向けたセミナーとして、『マネジメントゲーム研修会』という興味深い催しをされていらっしゃいましたので、お話を伺ってみました。
この会は参加者自身が経営者の立場となって、設備投資やひとの雇用・配置、単価設定など、会社経営の流れや経営判断をゲーム感覚でつかんでいく体験型の勉強会だそうです。
経営者自身や次期経営者といった方のスキルアップというだけでなく、経理や営業担当者、一般社員の方まで広く受講されており、会社としての運営イメージを学んでいただけるとのことでした。
会計事務所の開催する会ともあって、実際に売り上げを立てて会計の数字をつくり記帳をする、といった財務的な勉強も含まれ、実践的な内容で催されている様子を覗えました。社外へ向けたこのようなスキルアップを提供するような発信や取り組みは、研究会としてもぜひとも吸収させていただきたい内容でした。
中小企業DX推進研究会へご参加のきっかけ
最後に、研究会への参加のきっかけや、現在感じられている想いやご感想などを伺いました。入会のきっかけは、廣瀬 翼代表から研究会の存在を聞いたこと、研究会著の書籍をご覧いただき内容へ共感いただいたことだったとお話しくださいました。
顧問先への提案・支援方法や報酬設定、ツール選定方法にもご関心あることも伺いました。会計事務所としてのメイン業務は税務のところにありつつも社会の情勢を鑑みて、新たな事業創出としてIT化、DX化の知見を高めていこうと廣瀬代表の方針もあり、ご参加いただいているとも教えてくださいました。
ぜひオフラインでの研究会開催があったらとのお声も頂戴しました。実際これまでにも、こういったお話しは多くの会員様からも伺っており、この一年内にはわれわれ中小企業DX推進研究会としても、叶えたいことの一つであります。
今回は、
税理士法人 広瀬より、渡辺 元さん、廣瀬 亘さんのお話をお届けいたしました。たくさんの貴重な話題をありがとうございました。
ひきつづき、新たな交流の場として会員VOICE SQUAREでは皆様のお話を伺いお届けして参りたいと思っております。
どうぞご期待ください。