スペシャリストセミナー – 繁忙期業務データの分析と改善ポイントの考察 –

スペシャリストセミナーでは、有識者の方をお招きして、DX推進に必要なさまざまな知見を共有していただきます。

本セミナーレポートではその様子を抜粋しご紹介いたします。

2023年3月24日 (金) 16:30 ~ 17:10 開催
講師:
セブンセンスR&D 株式会社 代表取締役
セブンセンス株式会社 (セブンセンスグループ) 取締役 / CTO (最高技術責任者)
中小企業DX推進研究会 会長 山口 高志やまぐち たかし
テーマ:繁忙期業務データの分析と改善ポイントの考察

今回のセミナーでは繁忙期の業務分析について、セブンセンスグループの昨年末から本年3月15日の確定申告期限までにとられた実際のデータとともに、セブンセンスグループのCTO (最高技術責任者) であり、当研究会会長の山口 高志氏に解説していただきました。

業務の分析のためにはデータを記録し取得する必要があり、セブンセンスグループにおいては、大きく分けて二つの種類のデータを使い業務分析を行っているのだといいます。
一つは、進捗管理表をベースにして “業務量” を計測したデータ。そしてもう一つは、パソコンの操作ログを基に、”作業時間” を計測したデータです。

最近では TV-CM などでも見られるログ管理ツールなど、パソコンの操作記録を取るためのツールを導入されている事務所も増えているということですが、セブンセンスグループでは自社開発した『みえるクラウド ログ』を使い、その操作記録から作業時間を実測するためのデータに活用しているとのことでした。

多くの事務所では日報や進捗管理表に作業した時間を作業者が入力することで作業時間を把握されていると思いますが、各自が手作業で入力するデータでは大まかに入れていることもあるため、実際の時間と異なってしまいがちです。そこで、実態に沿った計測のためにはパソコンの操作記録からデータをとるのがより正確なのだそうです。

ここからは、今期の繁忙期間における管理表やパソコンログをみながら解説いただきました。

セブンセンスグループでは分業体制をとっており、工程ごとに進捗管理表も細かく分割されています。進捗管理はおもに 「だれが・どこの」 業務を 「何件」 処理できたか、というデータがメインになっています。作業への着手日と完了日もここへ登録しますが、時間の記録というよりは日ごとの処理件数を追うために使われているようです。

さらにこれを基に処理量をポイント化し、“業務ポイント” という形で従業員のモチベーションアップへ活かすような施策も行われています。
ポイント化の指標には、工程ごとに仕上げてほしい標準時間を設定したり、処理する工程やお客様ごとの難易度に対応するため、6段階にランクを分けているそうです。そのほかにも、月次仕訳数や、年末調整であればお客様の従業員数など処理人数によっても複合的に数値をみられるようになっていました。

ただし、あくまでここでは業務量をはかっているために、実際は時間をかけて多くの件数をこなしているのか、それとも定時のなかで効率よくやっているのかについては管理表の中だけで測れないため、パソコンの操作ログから時間をとるということになったのだそうです。

今回のセミナーでは、業務分析に使われるデータやそのデータの取得方法から、活用ポイントまでの解説でした。企業ごとに戦略や改善ポイントがあり、どのデータを使いどこへ反映させていくのか?そして、どのようにデータを取得するかということへのヒントとなりましたら幸いです。

今後もひきつづき、スペシャリストをお呼びしたセミナーを企画してまいりますので、ぜひともご参加くださいね。

開催セミナーのご案内は研究会サイトやメルマガで発信中です。どうぞお楽しみに!