インタビューコラム ~ 会員VOICE SQUARE 《税理士法人 さくら優和パートナーズ》

中小企業DX推進研究会にご参加いただいている会員事務所の方へのインタビューを基にお届けする “会員VOICE SQUARE”。
このコラムは、研究会×会員事務所、そして会員事務所同士の交流を図ることを目的としています。さらには他事務所の取り組みや課題などから、同様の想いを抱える皆様へのヒントとなればと思います。

第4弾の今回は、税理士法人 さくら優和パートナーズの山口 祐太朗さんと川添 友里さんへお話を伺いました。

 

事務所ご紹介

まずは事務所のご様子について山口さんから伺ってまいりました。
熊本・福岡・鹿児島の3拠点に事務所を有する九州地区最大級の税理士法人であるさくら優和パートナーズでは、黒字化支援・資産形成・M&Aを事業の三本柱として掲げて活動されています。現在の従業員数は3拠点合わせておよそ150名で、そのうち税理士資格をお持ちの先生が10名ほど在籍されているとのことでした。税理士法人のほかにコンサルティング業も実施されていらっしゃいます。

飲食業や建設業をはじめ数十年にわたり続く老舗企業から新規立ち上げの企業まで、幅広い顧問先を持っており、その数は2,000件を超えています。また、医業については専門部署を設置されており適切なアドバイスができる体制をとられているとのことでした。

 

社内外へのDXの取り組みについて

現時点では専門部署は存在していませんが、山口さん・川添さんを中心に選抜された有志メンバーが、顧問先に対する施策としてはDXコンサルティング、経理代行およびCFO (最高財務責任者) の派遣など徐々に着手しているところであるとのお話しでした。

また顧問先の経理担当者不足に対応できるよう、バックオフィスの改善策として、AIやRPAでの代替活用を支援されたり、コンサルティングするところから始められているとのお話もありました。これらの取り組みは、現在は顧問の範囲で実施されることも多いようですが、将来的には個別でサービスとして発展できるよう推進されているそうです。

 

RPAの活用について

川添さんは総務課に所属しながら、事務所内のRPA運用を担当されています。電子申告業務は総務課で担当されており、署名から申告書作成までは手作業で行い、申告書の印刷から担当者ごとのフォルダへ振り分けて返却する部分においては、RPAを活用しているとのことです。

不動産業において償却資産法定調書のゼロ申告の場合では、データ変換作業にもRPAを一週間程度24時間体制で稼働し対応されているというお話もありました。

なお、川添さんの前職はシステム関連の業種ではなく、鹿児島の鶏肉やさんで勤務されており、さくら優和パートナーズへ入社後にRPAを知り、その知識習得をされてこられたのだというエピソードもありました。

現状、システム専門の課やチームはなく、所内のネットワーク関連業務もおもに川添さんが担当をされているようです。

 

DXの推進や情報共有など浸透方法

所内の情報共有は、業務管理をしているグループウエアへの掲載や月次の会議で実施されているそうです。

また顧問先との連絡や、やり取りにおいては資料データの受け渡しも含め、おもにLINE works と Chatwork が利用されています。
メールでのやり取りから脱却をする方向であることも伺いました。

 

顧問先への提供物のデジタル化について

会計ソフトから抽出したデータを基に作成された独自の報告書を顧問先へ提供されているそうですが、PDF形式でデータが蓄積されていくため、ファイルをなくされてしまうなどが起こっていたようです。そこで ManageBoard を導入し、クラウド環境であればどこからでも閲覧できるように対応されたのだとのことでした。

しかし、ManageBoard だけでは従来の報告書と比べて、内容が劣ってしまう点もあったようです。そのため、不足している部分はこれまでの形式の報告書を併用して補完し、さらには内容を拡充することで、顧問料として利用料を転嫁することができたとのことです。

 

中小企業DX推進研究会へご参加のきっかけ

最後に、研究会への参加の経緯や現在感じられている想いなどをお聞きしました。
参加のきっかけは、岡野代表からの 「経理代行を推進してほしい」 という話を受けた山口さんが、DXに関する情報収集や経理代行の手法を学ぶため、研究会が実施する各勉強会へ事前に参加いただき、そこから入会を決められたとのお話を伺いました。

山口さんからは、「自分たちの事務所内で考えるだけでは視野が狭いままになりがちです。研究会へ参加されているそれぞれ会員事務所の方々の成功や失敗を含めた体験談、事例にも興味があります」 というお言葉もいただきました。

つづいて川添さんは、「今現在、社内の業務改善や管理業務を任されていますが、データの取り扱いにおけるミスの防止の方法など、ほかの事務所ではどのように実践されているのか、実務的な内容を知りたいです」 とお話しくださいました。

研究会では、各事務所様が 「自社のDX推進」 と「顧問先のデジタル化支援」 というそれぞれ目的に合わせた情報をご覧いただけるよう、コンテンツの内容や配置を含め整備を進めております。


毎週配信中のメルマガで最新情報などもお届けして参りますので、是非ご参考にご活用くださいね。

 

今回は、
税理士法人 さくら優和パートナーズより、山口 祐太朗さんと川添 友里さんのお話をお届けいたしました。たくさんの貴重な話題をありがとうございました。
ひきつづき、新たな交流の場として会員VOICE SQUAREでは皆様のお話を伺いお届けしてまいります。
どうぞご期待ください。